2025.06.10
祖父母の想いとともに〜築100年以上の家を未来へつなぐリノベーション〜前編
SCOL HOUSEで家を建てたお客様にインタビュー。今回は、築100年以上のお宅をリノベーションされた山口さんにお話を伺いました。
「子ども部屋が必要かも」と感じ始めたことをきっかけに、マイホームを考えはじめた山口さんご夫妻。新築住宅の購入も検討する中で、ふと浮かんだのは奥様の祖父母が住まわれていた築100年以上のお宅をリフォームして、自分たちの家にするという選択肢でした。「本当にリフォームできますか?」「受け継がれてきた立派な庭や家族との思い出を残したいです」そんな想いから、SCOL HOUSEにご相談くださいました。
100年の歴史を未来につなぎ、これからの100年を家族で育んでいく。そんな新しい住まいが完成するまでのストーリーをご紹介します。
リノベーション前のリビング
山口さんがマイホームを考え始めたきっかけは、お子様の成長でした。「もうすぐ中学生になるし、そろそろ子ども部屋を用意したほうがいいかも。今の家だとちょっと手狭だよね…」そんな思いが、住まいを見直す第一歩となったそうです。
マイホームを検討して最初に皆さん考えるのが、どこに家を建てるのか。山口さんご夫婦にとって、心のどこかでずっと気になっていたのが、奥様の祖父母が暮らしていた一軒家でした。
築100年以上で、これまで何度か増築が行われたお宅。これまでの家族の歴史が詰まっていると言っても過言ではありません。しかし、10年ほどは空き家になっており「このまま壊してしまうしかないのかも…。」と悩まれたこともあったそうです。そんな時に目に止まったのが、整えられたお庭とお祖母様がお茶と華道を長年教えていた茶室でした。
リノベーション前の中庭
「更地にして自分たちの理想の家を建てるという選択もありました。でも、せっかくこんなに立派な家と庭があるならリノベーションして残したい。妻の祖父母の想いが詰まったこの家を私達の代からまた継いでいきたいなと思ったんです」と山口さん。この想いがきっかけでリノベーションを決意されました。
離れの2階
リノベーションで進めていくことを決め、最初に行ったのが工務店探し。山口さんご夫妻がSCOL HOUSEを知ったのは、家づくりを具体的に考えるよりもずっと前のことだったそうです。
「どこにリノベーションを依頼するかは実は勘で選びました。でも車を運転している時に見えるSCOL HOUSEの建物がとにかく好きで、見るたびに『このデザイン素敵だな』って思っていたことも理由の1つです。もしリノベーションじゃなくて更地にして建て直すことになったとしたら、SCOL HOUSEのあの建物をそのまま建てたいくらいと本気で考えていましたし、惹かれていました」と嬉しい声をいただきました。
そのため家づくりを本格的に考え始めたとき、他の会社にお願いするという選択肢は一切頭になかったそうです。とはいえ、それまで1度も他のハウスメーカーさんに相談したことがないのか伺ってみるととこんな答えが返ってきました。
リビングの書院側
「まだリノベーションするかどうか決めてないころ、1度だけあるハウスメーカーに話を聞きに行ったことがあります。でも話を聞いて面白くないなと思ったんですよね。家に求めるものは人それぞれですし、住めば都なのかもしれません。でも私が求めているものは生活への+α。もともと古民家旅館のような空間が好きですし、旅行でもそういう宿ばかり選んでいました。夫婦ともに趣のある空間が好きだったので、家にもその感覚を取り入れたいと思っていて…。生活の場としての機能性はもちろん、心が落ち着くような空気感がほしかったんです」
リノベーション前の縁側
「SCOL HOUSEの事務所はまるでおしゃれな商業施設のようで、他の住宅会社とはまったく違う。ここも好印象でしたね。ハウスメーカーなのに会社の事務所はなんだかイマイチ…。こういう印象を受ける会社って珍しくないと思います。『自分たちが働く場所にすらこだわりがない会社が、本当に良い家を建てられるのかな?』と疑問に思っていたのですが、SCOL HOUSEなら安心してお願いできると決めました」
SCOL HOUSEへ関心を持ってくださった山口さんが次に行ったことはSCOLが手掛けるSCOL CAFEへの来店でした。
「『住宅の話を聞いてみたいんです』とカフェの店員さんに声をかけると、すぐに住宅担当の方を呼んできてくださり、そこからご縁が始まりました。それまでCAFEと建築は別の会社だと思っていたんですが、すべてSCOLが手がけていると知って驚きましたね」と当時の様子を語っていただきました。
リノベーションをしようと思っても、築年数のこと、構造の老朽化、基礎の状態、既存のお宅がリノベーションに耐えられるのかどうかなど確認しなければいけない項目はたくさんあります。
そして構造的な条件と同じくらい、私たちSCOL HOUSEが重視しているのが「その家にどれだけの愛着があるか」ということ。リノベーションは、制限のあるなかで理想を実現していく挑戦です。だからこそ、施主様の熱意が完成の満足度にも大きく影響します。
SCOL HOUSEでは、そうした気持ちの部分も丁寧にヒアリングさせていただいています。
ヒアリングを終え、まず最初に行ったのは現場確認。現在の間取りや状態を細かく把握しながら、ご希望をひとつひとつ伺いました。そして1度図面を作成し、それを見ながら「理想のカタチにできるか」を一緒にイメージしていくことからスタートしました。
打ち合わせを重ねるなかで間取りには何度か変更がありましたが、最初からブレなかったのが「活かせる部分はしっかり残す」という方針。書院や欄間、そして象徴的な大きな梁など、建物が持つ歴史や味わいを活かすリノベーションをご提案しました。
理想の住まいに向けて一歩ずつ進めていった山口さんですが、工事に入るまでに思わぬ壁に直面したそうです。
「今回リノベーションをするに当たり、とにかく大変だったのが家の片付けでした。リノベーションって、まず家の中のものをすべて出さないといけないんです。不要なものは処分もしなきゃいけないですし…。家は広いし、物の量も多い。ほぼ毎日作業をしていましたが、これはいつ終わるの?と思いましたね」作業は夏場に行われたため、暑さとの戦いでもあったそう。
「腰も痛くなるし、体力的にもかなりきつかったですね。でもこんな機会でもなければ家の中を見直すこともなかったと思いますし、結果的にはとても良いきっかけになりました」と笑いながら振り返ってくださいました。
いよいよ完成した新しいお家。築100年以上の家がどのように生まれ変わったのか。後編では、リノベーションだからこそ実現できたこだわりのポイントやリノベーションを考えている方へのメッセージをお届けします。